べどの日記

落語の記録

若手対決シリーズ 瀧川鯉白・立川かしめ二人会 負けてたまるか!?

40分のオープニングトーク

かしめ 真田小僧

鯉白 ナルシズム温泉

鯉白 トウキョウホイホイ

かしめ 猫と金魚

 

4/10の会を配信で視聴。

この2人の会が定期化するとのこと。嬉しい。

 

真田小僧…妻が大好きな夫のNTRモノ。寝取られに興奮する夫。サゲは、妻が一銭以上は出せないと言い「お前には一線/一銭超えてほしい」。2席目のマクラで、師匠のこしら師に「噺の中で寝取られたと絶対言うな」と30分説教されたそう。直接表現しないところがこの噺の魅力。

 

ナルシズム温泉…ある温泉で2人で話しているシチュエーション。しかし本当は1人。独り言かドッペルゲンガーか。3人目の人物である女性に2人とも見えているからドッペルゲンガーかな。鯉白さんの口調が大好き。この噺はきく麿師の『もち』を思い出す。

 

トウキョウホイホイ…東京に住む男の孤独を描いた噺。ゴキブリホイホイに1匹捕まっているゴキブリを見て、自分も東京の魅力から離れられないのではという気づきへ。サゲの「この孤独がトウキョウホイホイか」は素晴らしい。地方から東京に出て10年戦った昔を思い出す。自分にとって東京はずっと他者だった。

 

猫と金魚…金魚屋の売り声がとても重要な噺。「番頭も丁稚も親方もみんな金魚を食べる人々」というドタバタ劇が楽しい改作ではあるものの、サゲの金魚屋の売り声には余情があった。このサゲで滑稽噺が人情噺風になった。